エヌエスティ・グローバリスト株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:山本直)は、LPWA(Low Power Wide Area)分野のリーディングカンパニーとしてLoRa無線独自技術を用いた通信インフラを敷設し文字情報通達ツールとしても導入実績を誇ります。
昨今のアウトドアブームの一つとしてトレッキング、登山の人気が高まり注目を浴び、自治体でも観光振興策として登山客呼び込みが盛んです。しかし、山の危険性を知らない初心者が思わぬ遭難や事故に見舞われる事もあり、遭難件数も過去10年で3割以上になっているのが現状です。
この度、携帯電話網などの通信インフラが繋がらない中山間部で発生してしまう「道迷い」、「怪我や天候変化の救助要請」の連絡手段として弊社の強みである広範囲LoRaネットワーク技術を用いて、居場所(GPS)の通知とチャットで意思伝達ができる連絡網を可能とした「コミュニケーション伝達サービス:SR-LINK」を2023年1月26日から提供開始いたします。
山間部の課題
提供の背景
日本国内には携帯電話の人口カバー率は99.9%に達していますが、日本の国土は67%が山間地帯で携帯電話の電波圏外はまだまだ多く存在します。この山間地帯内ではコミュニケーションが取れない状況では事故や災害などが起きた時の通信手段がありません。新たに携帯電話網の基地局や固定回線を敷設するには莫大な費用が必要となります。
本サービスでは携帯電話網や固定回線の通信インフラ未整備な場所へのインフラ補完として通信コスト無料・免許不要であるLoRaネットワークを構築した上、山中遭難者の居場所や怪我で動けなくなった人のSOS通知やテキストチャットによる双方向で状況確認できるサービスとなっています。
また、定点カメラや複合気象計を設置することで、変化する山の状況を遠隔地から静止画像またはセンサー計測値で確認することも可能です。これらのカメラ・センサー・通信機器には電源供給が必要ですが、太陽光電源装置「SpreadRouter-SOLAR」を利用することで課題解決ができます。
サービスの特徴
1.位置情報送信で居場所を把握
利用者はスマホと小型通信機器を持ち歩くことで専用アプリから位置情報を送信できます。位置情報は定期的に送信する機能があるため、管理拠点の管理者はいつでも利用者の位置情報を確認することができ本人の位置が特定できないリスクを防げます。
2.SOS発信とチャット機能で救護支援可否の判断
スマホの専用アプリから位置情報に加え、管理者へのSOS(遭難、怪我、滑落、悪天候等などの定型メッセージ)発信機能と双方向のテキストチャット機能で状況を正確に伝えられ、何処に救護支援が必要か速やかに判断することができます。チャットは管理者だけでなく、特定グループ内でのチャットもできるため、携帯圏外でも迷子の抑止効果に期待できます。
3.通信回線が未整備の場所からデータを集約可能
携帯電話回線や固定回線が整備されていない山間部のエリアでも250mWに増強した高出力タイプ無線を使用し、見通し距離10km且つ最大30段中継機能を使用することで広範囲にまとめて網羅することが可能です。中継局のサイズもコンパクトで設置場所のスペース確保も容易です。
4.商用電源は不要
通信機器には電源が必要となりますが、山間部においては商用電源を取れないのが普通です。運用時の電源に対しては太陽光と蓄電池をセットにした淵源装置も用意しております。そのため、電源確保を心配する必要はありません。
5.登山道現場画像の取得やセンサー監視にも対応 ※オプション機能
位置情報の把握とコミュニケーションチャットサービスのスタンダードプランに加え、プレミアムプランでは定点カメラで撮影し、クラウドで静止画を記録し現場を画像で確認することも可能です。複合気象計や土壌含水センサーで天候や土壌変化を合わせて監視することで、利用者への注意喚起案内を行うことができます。
LoRa無線独自技術
- 無線出力20mWの標準タイプに加え、無線出力を250mWに無線電波出力を増強した高出力タイプでカバーする2種類を用意しました。本サービスでの山間部や携帯電話回線のエリア外、あるいは電波が届きにくい場所では高出力タイプの活躍が期待できます。
- 山間部地域や施設内外の遠い場所からでもデータ通信を可能とする強力な中継ホップ機能
- オプション機能で活用する測定したセンサーデータはLoRaを用いた無線通信で送信するため、導入にあたって新たな配線工事が不要となり導入コストを削減できます。