電池・バッテリー運用を行う際に気になる事は、この機器をある条件で動かした場合、選定する電池・バッテリーでは何日動作するものかという想定を必ず行います。そこで電池・バッテリーで動作させる場合の考え方について整理します。
電池容量計算の単位の意味について
ミリアンペアは電流の単位(mA)と時間の単位(h)。
例えば480[mAh]というのは、480mAの電流を1時間流せることを意味しています。
ワットは電力の単位(W)と時間の単位(h)。
1Whとは1Wの電力を1時間消費した時の電力量を意味しています。
W(ワット)とは仕事効率(電力)を表す単位。
電力[W]=電圧[V] × 電流[A]
例えば、12Vの電圧で、0.5A(500mA)の電流が流れている回路は、6Wの電力を消費する。
6[W] = 12[V] × 0.5[A]
A(アンペア)とは電流を表す単位。
水道で例えると蛇口の大きさ。電流値が大きいほど一気にたくさんの水(電流)が流れるイメージ。
V(ボルト)とは電圧を表す単位。
水道で例えると水の出る勢い。電圧値が大きくなればなるほど水が勢いよく出るイメージ。
mAhとWhの関係は、mAhに電圧(V)を掛けることでWhに変換。
[Wh] = 定格電流[Ah] × 定格電圧[V]
例えば650mAhは、Ahにすると0.65Aになるため電圧12Vの場合、0.65×12→7.8[Wh]となります。
電池の容量計算には、電池仕様を確認し、電池の定格電圧値と定格電流値から[Wh]を計算します。
例えば 12V/50Ahの蓄電池では、600[Wh]=50[Ah]×12[V]となります。
電池で動作させる機器の1日の消費電力を計算します。機器の仕様から動作電圧と消費電流を元に消費電力を求めます。
「例」
機器1 動作電圧5V、消費電流60mA 0.06[A]×5[V]=0.3[W] → 0.3[W]×24[h]=1日7.2[W]
機器2 動作電圧12V、消費電流300mA 0.3[A]×12[V]=3.6[W] → 3.6[W]×24[h]=1日86.4[W]
結果:7.2[W]+86.4[W]=93.6[W]
衛上記の計算から、600[Wh]の蓄電池で2台で1日93.6[W]消費する機器を動作させた場合の想定日数は
600[Wh]/93.6[W]=約6.4日という計算になります。
機器の消費電流は動作によって異なるため、最大時や省電力時でそれぞれ1日何時間消費するか計算して1日の消費電力を導き出せます。
この計算結果はあくまで理論上の数値のため、電池の特性や消費電流値によっては日数計算が短くなる事も想定されるため、70~80%程度を目安で試算しておくのが良いかもしれません。